こんにちは、藤吉クリニック院長です。
今回のブログでは、近年増加している「日本人女性の大腸がん」についてお話しします。
☝本日のポイント
女性のがんで死因第1位は、乳がんや子宮頸がんではなく「大腸がん」
40歳以上は男女ともに年に1回、大腸がん検診(検便)を受けましょう
便潜血が検出された方、過去に大腸にポリープができたことのある方、気になる症状がある方は、大腸内視鏡検査で原因を特定し、早期発見に努めましょう(当院では大腸内視鏡検査を実施中)
全がんの中で女性の死因第1位は大腸がん
がんの部位別死亡数で男性3位、女性では1位となっているのが「大腸がん」。大腸がん検診の一次検査は「検便」で手軽に行えたり、内視鏡の進化などで治る可能性が高まったりしているにも関わらず、未だに命を落としてしまう人が多いです。
過去数十年で、女性の大腸がん発生率は着実に上昇しています。特に、60歳代以降で急激に増加している傾向が見られます。女性の場合、全がんの中で死因の第1位は平成 15 年以降「大腸がん」であるにもかかわらず、乳がんや子宮頸がんのほうが心配と答える人が多くいるという特徴があります。
(図1:悪性新生物<腫瘍>の主な部位別にみた死亡率(人口 10 万対)の年次推移, 2021年)
大腸がんのリスクを減らしましょう
以下のリスク因子を改善することで、大腸がんの発症リスクを低減することができます。
(図2:大腸がんのリスク因子)
気になる症状がある場合は、早めに受診をしましょう
以下の症状が続く場合は、大腸がんの可能性も考えられますので、早期受診が大切です。
・便の形状や色が変わる
・便の量が減る
・便通が悪くなる(便秘や下痢が続く)
・便に血が混じる
・腹痛や腹部の張りが続く
・体重減少や全身症状(倦怠感、貧血等)
便に血が混じっているのは、生理や痔のせいだと思い込まないで、自覚症状がなくても早めに精密検査を受診してください。しかし、これらの症状があっても必ずしも大腸がんとは限りませんので、まずは専門医に相談しましょう。
40歳以上の方は、大腸がん検診(検便)を毎年受けましょう
一般的に40歳以上の方が大腸がんのリスクが徐々に上がるとされています。したがって、男女ともに、40歳以上は年に1回、大腸がん検診を受けましょう。大腸がん検診において、便潜血検査(検便)は一般的な方法です。便潜血検査は、2日間に分けて便を採取する「2日法」が一般的です。がんの出血は毎回便に付着しているわけではないため、1回の便潜血検査で大腸がんを指摘できる可能性は56%ですが、2〜3回採便することで80%以上と言われています。市の健診制度などもありますので、ご活用ください。
大腸内視鏡検査で大腸疾患を早期発見しましょう
大腸がんやポリープなどの大腸疾患がある可能性があるため、便潜血が検出された方には、大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。大腸内視鏡検査では、大腸の状態を直接観察し、病気やポリープの発見に役立ちます。
便潜血検査が陰性の場合でも、過去に大腸にポリープができたことがある方は年1回の大腸内視鏡検査を受けることが推奨されます。また、腹痛や便秘など気になる症状が続く方も、専門医を受診し必要によっては大腸内視鏡検査を受けて症状の原因を特定しましょう。
まとめ
日本人女性の大腸がんは近年増加しています。リスク因子の改善や早期受診が大切です。早期発見すれば、9割以上が治癒します。がんやポリープを内視鏡で取ることもでき、検査と治療が同時にできることもあります。
当院では、苦痛の少ない内視鏡検査・治療を実施し、大腸がんの予防、検査、治療に力を入れています。ご心配な症状がある方は、お気軽にご相談ください。今回のブログが皆様の健康管理に役立てば幸いです。
【参考文献】
死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対)(2021年)
医療法人 藤吉クリニック 胃腸科・肛門科
福岡県柳川市中町18
☎ 0944-74-4025
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