こんにちは、藤吉クリニック院長です。
今回は、近年急増している「日本人の胃がん」に関する情報をお届けします。胃がんは早期発見することで、予防や治療が可能な病気です。大切な情報ですので、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。
☝本日のポイント
高齢者の胃癌が増加しています
1年に1回の胃がん検診をしましょう(当院では胃カメラ検診を実施中)
ピロリ菌検査も大切!ピロリ菌除菌で胃がんを予防!
高齢者の胃がん罹患者数は増加している
胃がんはかつて日本人のがん死亡率の第1位でしたが、2021年には男性では肺がん、大腸がんを下回って第3位、女性では第5位でした。
しかし、胃がんの罹患数に関しては、日本人の寿命が延びて長生きする人が増えたことや、人口の高齢化、内視鏡などの検査を受ける機会が増えたことで、高齢者の胃がんの発症がこの20年ほどで急激に増加しました。1975年は8万人を下回り2000年には約10万人だった罹患数は、2019年には12万人(男性約8万人、女性約4万人)を超えています。
(図1:悪性新生物<腫瘍>の主な部位別にみた死亡率(人口 10 万対)の年次推移, 2021年)
胃がんは自覚症状が少ない
胃がんは早期に発見できれば、治療の成功率が高まります。しかし、初期の胃がんは自覚症状がないことが多いので、定期的に検査をするように努めましょう。また、以下の症状がある場合は、早めに受診してください。
(図2:症状がある場合の受診目安)
年1回の胃がん検診(胃カメラ検診)を推奨
胃内視鏡検査(以下、胃カメラ)は、胃がんの早期発見に非常に有効な検査方法です。胃カメラは、口から挿入され、胃の内部を直接観察することができます。これにより、異常な部位やポリープを見つけることができ、必要に応じて生検や治療を行います。
・50歳以上の方は、定期的(1年に1回)に胃内視鏡検査を受けることが推奨されます。
・胃がんのリスク因子がある方は、定期的な受診が望ましいです。
(図3:胃がんのリスク因子)
ピロリ菌を除菌して胃がんを予防しましょう
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃炎や胃潰瘍、胃がんの原因となることが知られています。ピロリ菌検査は、この菌の感染を調べるための検査で、感染があれば適切な治療が必要となります。検査方法には、呼気検査や便検査、血液検査などがあり、手軽に行うことができます。感染が確認された場合、抗生物質などの治療が行われ、除菌に成功すれば胃がんのリスクを減らすことができます。
まとめ
胃がんは検査をすれば早期発見が可能な病気ですが、初期は自覚症状がないため自主的に検査をする心構えが大切です。適切な検査と早期治療により、予後が大幅に改善されることが知られています。
当院では、苦痛の少ない内視鏡検査・治療を実施し、胃がんの予防、検査、治療に力を入れていますので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
【参考文献】
死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対)(2021年、厚生労働省)
医療法人 藤吉クリニック 胃腸科・肛門科
福岡県柳川市中町18
☎ 0944-74-4025
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