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執筆者の写真藤吉クリニック

この「胃の不快感」「胃もたれ」は気のせい?機能性?

「機能性ディスペプシア」という病気について解説したいと思います。



「胃もたれがする」「胃に不快感がある」という症状を訴える患者さんには、胃内視鏡検査やピロリ菌検査などをしてその原因を探ります。しかし、実際に内視鏡検査をしても胃の中がキレイで胃炎や胃潰瘍などがないことがあります。このように見た目では症状の原因となるような異常がないにも関わらず胃もたれなどの症状がある状態を「機能性ディスペプシア」(FD)と言います。


FDは、胃の運動機能の低下が原因で、「胃もたれ」や「食べてすぐに満腹感」があったり、知覚過敏になって「胃痛」や「しゃく熱感」を感じたりすることがあります。これらの症状が週1~2回、1ヵ月以上慢性的に続き、検査で胃がんや胃潰瘍、十二指腸潰瘍、などの病気が見つからない場合に診断されます。


(図1:FDの診断, 藤吉クリニック)



FDの原因はたくさんあり、その病態は複雑です。ストレスや生活習慣による自律神経の乱れも原因のひとつです。例えば、睡眠不足や朝食を抜く、冷房で身体を冷やしすぎることにも気を付けてください。

また、胃に負担をかけないよう食事は腹八分目を意識して、ゆっくり召し上がってください。脂っこいもの・お酒・コーヒー・タバコも控えた方が良いです。できれば、美味しいものを少量ずつ召し上がることが理想です。


(図2:FDの原因, 藤吉クリニック)



薬の治療は、胃の働きを改善する薬「アコチアミド」や漢方の「六君子湯」が使われます。胃痛がある場合は、それに胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬が用いられます。機能性ディスペプシアの患者さんの約4割は何かしらの心的ストレスをかかえている場合があるので、それらの薬に加えて、抗うつ薬や抗不安薬を用いることもあります。


(図3:FDの治療, 藤吉クリニック)



<まとめ>

胃もたれや胃の不快感が長く続いている方は、原因を探るために胃内視鏡検査を受けてみてください。

そして、治療をしていく上で、主治医との信頼関係はとても大切です。信頼できる主治医のもとで、検査や薬での治療を行い、生活習慣の改善にも取り組めるようにしてきましょう。


当クリニックでも検査から治療まで対応しておりますので、お気軽に相談にお越しください。いつでもお待ちしております。


(参考)

日本消化器病学会ガイドライン 機能性ディスペプシア(FD)ガイド


 

<今日のレシピ>


~簡単サムゲタン~


わが家でよく登場する私の大好きなスープのひとつです。素材を生かしたやさしい味で身体が温まります。もち米でスープにとろみがつき、高齢の方も食べていただきやすいですよ。

東洋医学で「なつめ」は、気と血を補い、滋養強壮・健胃作用(胃腸を整える)・精神安定作用があります。自然な甘みのある食材ですので、苦手でなければトライしてみてください。「干しなつめ」はカルディ、北野エース、ジュピターなどで購入できます。



【材料】(4人前)

・骨付きの鶏もも肉 4本 (骨付きの方がうま味があります)

・もち米 大さじ4 (白米や玄米でも代用可能)

・ごま油 大さじ1

・長ネギ(青い部分)1本

・干しなつめ、むき栗 各8個 (こちらはなくてもOKです)

・にんにく 2~3かけ

・水 1リットル

・酒 1/2カップ

・三つ葉、ネギの小口切り


【作り方】

1.鶏もも肉は、お肉の重さ10%の塩こうじ(お肉が100gの場合、塩こうじ10g)で30分~ひと晩つけておく(塩こうじがない場合は、塩で下味をつけてもOK)

2.もち米は水に30分以上浸し、ごま油をあえる

3.干しなつめを水で戻し、包丁で切込みを入れる

4.長ネギとにんにくは、軽くつぶしておく

5.全ての材料を鍋に入れて、鍋の蓋は少しずらして鶏肉が硬くならないよう弱火で30分程度じっくり煮る。アクはその都度取り、スープを濁らせないようにする

6.スープをお椀によそい、お好みで三つ葉やネギ、キムチなどを盛り付け完成!








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